甲状腺の腫れには、びまん性甲状腺腫と
一部にしこりができている結節性甲状腺腫と二とおりある。主な病名としては甲状腺機能低下については橋本病、正反対に恒常性ホルモンの過剰分泌についてはバセドー病があげられる。
橋本病とは、甲状腺の組織を攻撃する物質(甲状腺自己抗体)が体の中に出現し、甲状腺が攻撃されることで腫れ、慢性甲状腺炎を引き起こし、その働きが疎外される病気であり、女性の10人に1人が持っているという、ありふれた病気ともいわれている。
一方、バセドー病は、甲状腺自己抗体の攻撃により、甲状腺の機能を刺激し、過剰な甲状腺ホルモンの分泌に繋がるという、橋本病と正反対の症状である。
甲状腺は全体的に腫れ、大きく腫れると自分でも気づくようになり、頚部の違和感が感じられることもある。
橋本病では、甲状腺機能が低下すると、甲状腺機能低下症の症状がみられるようになる。ただし、橋本病(慢性甲状腺炎)で甲状腺機能が低下するのは3~15%である。
甲状腺が腫れていて、血液検査で甲状腺自己抗体の存在が認められると、慢性甲状腺炎の診断となる。